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2026.10.17 メディア

St. Paul’s School 入学担当者との面談をしました!

― 名門校が考える、AI時代における「学びの本質」とは

(St. Paul’s School)

先日、アメリカ・ニューハンプシャー州に位置する名門ボーディングスクール、St. Paul’s School(SPS)の入学担当者 Michelle Hung先生と面談を行いました。

今回の面談では、SPSが大切にしている教育理念や学校コミュニティの特徴に加え、近年急速に普及しているAI(人工知能)に対する学校の教育方針について、詳しくお話を伺いました。

① 完全全寮制だからこそ育まれる強いコミュニティ

SPSは、アメリカの名門ボーディングスクールで構成される「Ten Schools」の中で、唯一の完全全寮制(Fully Residential)の学校です。

全生徒だけではなく全教員がキャンパス内で生活しており、学業だけでなく、日々の寮生活や課外活動を通じて、学校全体で深いつながりを築いています。

また、週4回のチャペルや全校集会など、学校全体が一堂に会する機会が設けられており、コミュニティとしての一体感を大切にしています。

(St. Paul’s School)

こうした環境だからこそ、SPSでは学業やスポーツで優れた成果を残すことに加え、以下の価値観を重視しています。

・Kindness(思いやり)

・Respect(敬意)

・Open-mindedness(柔軟な考え方・寛容さ)

Michelle先生のお話からも、SPSは生徒一人ひとりの学力や能力だけでなく、他者を尊重し、コミュニティに積極的に貢献する姿勢を大切にしている学校であることが伝わってきました。

また、SPSにはさまざまな国籍や文化的背景を持つ学生が在籍しています。

Asian SocietyやInternational Societyといった学生団体には、アジア系の学生や留学生だけでなく、異なる文化的背景を持つアメリカ人生徒も積極的に参加しているそうです。

このように、SPSでは多様性を尊重し、互いの文化や価値観を理解し合う環境が育まれています。

(St. Paul’s School)

② AI時代においても「自分で考える力」を重視する教育方針

今回の面談で特に印象的だったのが、SPSにおけるAIの活用方針についてのお話です。

近年、ChatGPTをはじめとする生成AIが急速に普及し、教育現場でもその活用方法が議論されています。

SPSでは、AIを全面的に禁止するのではなく、生徒の学年や授業の目的に応じて、適切な活用方法を定めています。その根底にあるのが、「The Friction of Learning(学習に伴う試行錯誤や困難)」という考え方です。これは、学習の過程で自分自身の頭で考え、悩み、試行錯誤する経験こそが、思考力や問題解決能力の育成につながるという考え方です。

SPSでは、入学後最初の2年間については、AIの使用を極力制限しています。

特に、基礎的な読解力や文章力、思考力を身につける段階では、AIに頼らず、自分自身で課題に取り組むことを重視しているそうです。一部の人文科学系の授業では、パソコンなどのデジタル機器を使用せず、手書きで課題に取り組むこともあるとのことでした。

AIを使用すれば簡単に答えを得られる時代だからこそ、SPSでは学習の過程そのものを大切にしています。

・高学年ではAIを学習ツールとして活用

一方、高学年になると、AIを学習の補助ツールとして活用する機会も設けられています。

例えば、試験勉強のための練習問題を作成したり、学習内容の理解を深めるための教材を作成したりするなど、AIを活用して学びを発展させることができます。ただし、AIにエッセイや課題の答えをそのまま作成させるのではなく、あくまでも生徒自身の思考を支援するツールとして利用することが重要とされています。

また、SPSでは授業ごとにAIの使用ルールが明確に定められており、アイコンを用いて、どの程度AIを使用してよいかを生徒に示しているそうです。さらに、教員に対しても継続的な研修が行われており、AI技術の進化に合わせて、学校の方針も毎年見直されています。

このように、SPSではAIを単に禁止・推奨するのではなく、「自分自身で考える力を育てること」と「新しい技術を適切に活用すること」の両立を目指しています。

(St. Paul’s School)

③ 面談を通じて

今回の面談を通じて、SPSが学業面での優秀さだけでなく、生徒の人間性やコミュニティとのつながりを非常に大切にしている学校であることを改めて感じました。

特に、完全全寮制という環境の中で、思いやりや他者への敬意を重視する教育方針が印象的でした。

また、AIの活用についても、技術の進歩に柔軟に対応しながら、生徒自身が考え、試行錯誤する過程を大切にしていることが分かりました。

AIが急速に発展する現代において、単に知識を身につけるだけでなく、自ら考え、判断し、新しい技術を適切に活用する能力を育成するSPSの教育方針は、非常に興味深いものでした。

今後も学校との情報交換を通じて、教育方針や学校生活についての理解を深め、皆様に最新の情報をお届けしてまいります。

(SPSのMichelle先生と)

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